オールドバカラ・柿右衛門・今右衛門の専門店|京都美商ギャラリー 京都美商ギャラリーは、1961年に京都下鴨で創立した西洋アンティーク・肥前磁器の専門店です。長年蒐集をしてきた経験をもとに、オールドバカラやオールドフランス、古伊万里や柿右衛門などを取り扱っております。量産品ばかりの近年では見られなくなった職人技、手作りの温かみの魅力をより多くの方に身近に感じて頂きたいと考えています。

ハンケイ500m(Vol.43)- 連載3 日本に稀なるヨーロッパ型の美術商

-ハンケイ500m 連載3-

京都の「本物」を特集するフリーペーパーに6回の連載を掲載:3回目

                     

名品の発掘・蒐集・研究を重ねオールド バカラの第一人者へ

 

 まだ二十歳そこそそこの学生の時、父親の代行でいきなりロンドンのオークションに飛び込み、右も左もわからないながら現場で学んでいきました。丁稚から修行を積み、暖簾分けしてもらう師弟制度の日本型美術商と違い、私は異端児、世界のオークションでなにも気負わず、いきなりトップディーラーと競い合ってきました。今思えば、それが各国の重鎮に承知され、ヨーロッパ型の美術商を志すきっかけになったのかもしれません。ヨーロッパ型の美術商は日本にはほとんど存在しないのです。

サザビーズでのオークション会場
館長 井村 ロンドン Sotheby’s オークション会場

 

 古物を買って売るのが日本の美術商のスタンス。それこそ掛軸も茶道具も絵もガラスもなんでも扱います。それに対して、ヨーロッパ型はひとつのものを買い続けて研究を深め、自らが専門書の執筆までも行います。自分が極めるカテゴリーがはっきりしているんです。
 それがどうしてなのかというと、ヨーロッパで開催されるオークションはパブリックなので誰でも参加ができます。プロもアマも一堂に会して、落札表(いくらで買われたか原価もわかる)も白日のもとにさらされるのです。ヨーロッパにおける美術商はアマチュアと違った、より専門的な知識が必要となります。そのため研究をし続け、その美術作品に対する正当な価値を世の中に伝える役目をはたしています。

 

ヨーロッパの美術商に学ぶ 物のクオリティーを見抜く審美眼

 

 例えば、イギリスの骨董街では、レースを専門に扱う店があり、一見普通のおばさんが営んでいるように見えます。実は、その情勢はレース研究の第一人者で、レースに関する書籍を執筆している、、というような事例も多く、その店の専門性が非常に秀でています。
 それに比べて日本では、古物の会に誰でも入れるわけではありません。入るためには、他者からの推薦を必要とし、その中でも年功序列がはっきりしているため、特別な雰囲気があるのです。プロが利益を守るシステムが確立されているため、研究を重要視せず、また、一方で目立つ新興業者は入会が難しいのが事実です。よく地域で開催される大骨董市など、掘り出し物が見つかると謳っていますが、多くのプロが目を通したものを置いているだけなので、そんなに大きな掘り出し物はありません。日本はあくまで、プロとアマチュアの線引きがはっきりされています。

 

歴史に埋もれ忘れ去られた逸品
ジャポニズムのバカラとの出逢い

オールドバカラ(黒)花食い鳥文花瓶
オールドバカラ(黒)花食い鳥文花瓶 1878年頃

 80年代半ば、日本が空前のワンプームに湧いている頃、パリでワイングラスを物色していました。その時に、私はジャポニズムのバカラと運命的な出逢いをしたのです。当時は空前のガレ、ドームのブームの最中、偶然にも私が手にした作品は、ジャポニズムの黒いクリスタルで、それは1878年制のオールド バカラでした。
 慶応3年(1867年)のパリ万博に日本が初出品、1873年のウィーン万博に明治政府が正式に出展したことで、ヨーロッパで中にジャポニズム旋風が巻き起こります。そして、次に開催された1878年のパリ万博での会場に飾られた美術作品はジャポニズム一色。この期間に制作されたバカラ社の作品は、日本の影響を色濃く受けてます。そして、その万国博覧会ではバカラはグランプリを獲得。もともと王侯貴族に愛用されていたバカラは、より高い地位を確立するのです。
 私がパリでオールド バカラと出会った当時を振り返ると、150年前の万博の時に一世を風靡し、大変高価だった一揃えのグラスが5万円ほどのアンティークとして埋もれていました。現代物のバカラの価格は数百万円もするのに、オールド バカラの作品は世の中から忘れ去られ、見向きもされない。そして、ジャポニズムの作品は、重要視もされていませんでした。しかいs、だれもよいと言わないモノの本質を見抜いて、価値を見出し、表舞台に戻すことが美術商の仕事です。
 すでに認められている美術品には興味がありません。私はジャポニズムのバカラを徹底的に蒐集しようと決意しました。ところが古い時代のバカラにはサインがないのです。サインも鑑定書もないということは、百貨店では取り扱うことは難しかった。
 この後、ヨーロッパ型美術商としての手腕が問われる問題に直面するのです。

オールドバカラ(透明)花食い鳥文花瓶
オールドバカラ(透明)花食い鳥文花瓶 1878年 ブラックバカラに出会った時に同型の透明のものがあると確信し、10年以上経て透明の作品を発見する。

 

 

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京都美商ギャラリーは、1961年に京都下鴨で創立した西洋アンティーク・肥前磁器の専門店です。長年蒐集をしてきた経験をもとに、オールドバカラやオールドフランス、古伊万里や柿右衛門などを取り扱っております。量産品ばかりの近年では見られなくなった職人技、手作りの温かみの魅力をより多くの方に身近に感じて頂きたいと考えています。

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電話番号 075-722-2300
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定休日:水曜日
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オールドバカラ・柿右衛門・今右衛門の専門店|京都美商ギャラリー 京都美商ギャラリーは、1961年に京都下鴨で創立した西洋アンティーク・肥前磁器の専門店です。長年蒐集をしてきた経験をもとに、オールドバカラやオールドフランス、古伊万里や柿右衛門などを取り扱っております。量産品ばかりの近年では見られなくなった職人技、手作りの温かみの魅力をより多くの方に身近に感じて頂きたいと考えています。

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